内部被曝を考察するブログ

2年近く前に骨折をしてから中断していた自転車通勤を再開しました。良い季節ですね。皆様がご健康でおられ、良い一週間でありますように。

2013-01-01から1年間の記事一覧

附記5(体内に存在する量の放射性炭素C14による内部被曝がなぜ安全と考えられるのか):C14やトリチウムの危険性再評価

<執筆途中です> <2021年4月19: タイトルが「安全寄り」と誤解されかねない表現だったので、タイトル補足と、追加説明を加えました(途中経過)>ご存知の方も多いと思いますが、体内にもともとある放射線源として、K40の他に、C14 などがあります。 原発事…

附記3:フィードバックの遅れについて

2015年11月改定 (2013年初頭に書きかけて放置していた記事を、大幅に改定しました) このブログの理論を、なかなか理解できない、受け入れられないとする批判に、次のようなものがあるかと思います。 (先入観による批判意見1):「ほんのわずかの内部被…

補足的議論

誤解されやすいポイント ----------------------------------------------------- 外向きK電流が重要となる心筋再分極相(phase 2)では、外向きK電流用のチャネル(KvLQT1)が、微細なタイミング・コントロールを行っている。その他のKチャネル(特に内向き整…

食事中のセシウムの限度にかんする定量的考察

Bandazhevskyの心電図データの異常は、丁寧に考察を重ね、いくつかの仮定をおけば、メカニズムとしては、十分に想定できる、ということを議論しました。 ちょっと書ききれませんでしたし、さらにいくつかの仮定をおくことになるので、ここでは触れませんが、…

再びQT延長症候群について (制御理論的考察)

散々、QT延長症候群、というのを議論してきました。 いったい、QT延長のなにがまずいのでしょうか? そういえば、以前、あるかたが、議論に乗ってきてくださり、次のような大事な意見を言ってくださいました。 「心臓なんて進化の過程で強固にできてるんだか…

メカニズムの説明 (定量的考察2:開確率について)

前頁の話が、随分と長くなってしまいました。 外向きK電流(IKs))に拮抗する、内向きKチャネルKirを、もしも放射性セシウムが、ある一つの細胞で、Kir1個だけ、オープンの状態で壊すことができたら、IKsは相対的に低下するので、QTは延長する、という話をし…

メカニズムの説明 (定量的考察3:心臓の伝道路)

ーーー2/2/2020補足と前置きーーーーーーー 当理論を誤解される方の中には、「心臓には細胞は約1.3x10e10個もあるのだから、その中のほんの僅かが異常を来したからと言って、心臓全体や、ましてや人体の全体に影響が出るわけがない」という誤解をされる方も…

メカニズムの説明 (定量的考察1:単一チャネル考察)

ここで行う議論は、 <<<ごく微量のカリウムチャネルがオープンの形に壊れたときに、影響が出うる可能性を定量的に検討する議論>>> です。QT延長症候群と言うものに関して、議論してみたいと思います。 ーーーーーーーー補足ーーーーーーーーーー (注:1/24/…

Kチャネルに「堅く嵌まり込んだ」状態で、Cs134/137が崩壊を起こしたら、どうなるか

<Kチャネルに「堅く嵌まり込んだ」状態で、Cs134/137が崩壊を起こしたら、どうなるか> Csが、Kチャネル内でβ崩壊を起こしたときのことを議論してみたいと思います。 が、ちょっと疲れてきたので、映画の話でもしましょう。 「アルマゲドン」って映画を、見…

Kチャネルから見たときのKイオンとCsイオンは全く別物

さて、基本事項をある程度確認した段階で、放射性カリウム(K40)と、放射性セシウム(Cs134/137)の違いについて、話を戻してみましょう。 説明したいテーマは、K40=無害、Cs134/137=有害、というインパクトの差が生じ得る可能性に関する議論です。 ーーーー…

カリウムチャネルにかんしての基本的事項の確認

同じ同族アルカリ金属元素のNaも、Kも、Csもデジタルな認識わけをできる、というのが、生命体の基本です。まずは、これを解説します。 元素表を見てましょう。 (他サイトからの転用に手を加えました) 一番左にあるNaやKやCsは、「アルカリ金属元素」とよば…

メカニズム(カリウムチャネルに関して)

一般論として、非放射性であろうが、放射性であろうが、セシウムという元素(Cs)が、生体内で、カリウムチャネル、という生命体分子にくっつき、影響を及ぼすのは、我々基礎医学者にとってみれば、常識中の常識で、日常的に、医学実験で頻繁に使う手法です。…

メカニズム(現代核物理学の中のユニークな現象)

現行の放射線障害理論の背景にある物理学法則として、どの各種から出ようが、α線はα線、β線はβ線、γ線はγ線で、それぞれの放射線の電離能の強さこそが大事で、これによって、ターゲットに与えるすべての影響がきまり、どの元素、どの各種から出る放射線かは…

Bandazhevskyのデータと、その他の疫学調査との整合性

ごく微量のセシウム内部被曝で、心臓伝道系の障害や神経症状が起こる、というデータは、あまりに衝撃的な内容なので、まず、その他の疫学調査との整合性を確認したいと思います。 わが国では、都築正男先生が、広島原発後に、「慢性被曝症状」というものをレ…

Bandazhevskyの心電図データと動物実験との整合性

ごく微量なセシウム内部被曝で、心電図異常、というのは、衝撃的でもあり、かつ重要なデータなので、動物実験データで確認する必要があります。私も、原発事故後に、文献検索を行い、以下の論文に行き当たりました。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/183…

セシウム内部被曝によるBandazhevskyのデータの理解

ごく微量のセシウム内部被曝によって、心電図異常が起こる、というデータを、チェルノブイリ原発事故後に、Bandazhevskyという学者が、2004年のSwiss Med Weekly誌に発表しています。原文は、以下のサイトで入手可能です。http://radionucleide.free.fr/Stre…