内部被曝を考察するブログ

2年近く前に骨折をしてから中断していた自転車通勤を再開しました。良い季節ですね。皆様がご健康でおられ、良い一週間でありますように。

「内部被曝」という言葉の問題点

このブログでは、「内部被曝」という問題に関する、新しい視点を提供し、今までの放射線医学の、特に、「内部被曝」の影響の見積もりの、どこに見落としがあり、どのような過小評価になっていたのかを、主にはCs137、そして、時折、C14やトリチウム、補足と…

線量計算の新しい考え方への提言と、数式の例

2/23/2013執筆、11/19/2015加筆、12/30/2019 Yahoo Blogより移行公開 みなさん、よくご存知のことかと思いますが、現在の放射線理論は、確率的影響、確定的影響という具合に、放射線の影響を便宜的に分けて、それぞれを、別個に論じていきます。現行の理論は…

最新の医学研究でもわかっていないパラメータ

11/19/2015執筆、12/27/2019公開 当理論は、なるべく、できる範囲でのパラメータに関しては、定量的考察をし、パラメータのまだ存在しない分野に関しては、それでも出来うる限りの考察の方向性を書くという方針で議論を進めてきています。当理論の根幹は、微…

phase3のこと、Kirのパラドックスとnegative slopeの関係、IKr, IKs, IK1の関係、遺伝子操作実験や薬理学的実験と恒常的オープンKirの本質的違いと整合性

11/19/2015執筆、12/27/2019公開 当理論は、微量の放射性セシウム内部被曝で、心筋症が起こるとするBandazhevskyのデータは、十分にあり得るだろうという定量的見積もりを試みていますが、その際、Cs崩壊時に、心臓のカリウムチャネルの一種であるKir2.1(ま…

LNT議論の功罪

11/8/2015執筆、12/26/2019 改定、Yahoo Blogなどより移行公開 原発事故以降、よく我々の耳に入ってくる議論として、「LNT仮説は正しいか否か」という議論があります。つまり、この議論がヒートアップしてしまう背景として、「100mSv以下の健康障害はあるの…

補足(メスバウアー効果に関して)

2/27/2013執筆、12/26/2019 Yahoo Blogより移行公開 メスバウアー効果に関して、再度解説します。 ますは、通常の原子核崩壊。自由空間で、崩壊が起こったときには、どうなるか。 反跳エネルギーにより、γ線エネルギーの一部がロスしますし、ターゲット側の…

その他の心電図変化(QRS波、ST部分、J波)

3/4/2013執筆、11/1/2015改定、4/10/2016加筆、12/26/2019 Yahoo Blogより移行公開 これまでの当理論では、Cs137崩壊に伴い生成された カリウムチャネルの異常(具体的にはopen固定Kir2.1)が、心筋の脱分極・再分極(第0,1,2,3,4相)のうちの、第2-3相に焦…

Kイオンの流れに関しての補足事項

11/8/2015執筆、12/24/2019 Yahoo Blogより移行公開 当理論で、少し詳しい説明を省いている箇所がいくつかあります。その一つが、Kイオンの流れの向きに関する補足事項です。当理論では、Kir2.1などの高コンダクタンス・フォーム(たくさん電流を流す類のチ…

オープンKirの代謝と半減期

11/1/2015執筆、12/24/2019 Yahoo Blogより移行公開 以前、知人から次のような誤解があるとの指摘をいただきました。 <<先入観に基づいた批判意見2>>「オープン固定されたKirだって、すぐに代謝されて、消えて無くなるよ。"壊れてる"んだし、きっとすぐに処…

オープン固定Kirの出来方

11/19/2015執筆、12/23/2019 Yahoo Blogより移行公開 このブログの理論の根幹をなしているのが、「Kirに放射性Csがはまり込んだところで崩壊を起こしたら、オープンの形で壊れる」というテーマです。「オープンの形に固定される」という表現もしてきました。…

”リーキー・チャネル”という誤解

11/19/2015執筆、12/20/2019 Yahoo Blogより移行公開 以前、知人から、次のような誤解があるという指摘を受けました。 (先入観1)Kirは、カリウムチャネルの中でも、もともと恒常的にオープンと言われていて、他の電位依存性の開閉スイッチを備えているKv系…

粉塵付着型の内部被曝について

3/1/2013執筆、11/1/2015加筆、12/19/2019 Yahoo Blogから移行公開 原発事故直後から、「鼻血」がでるのが、メカニズム的にそして、定量的にありうるのか、ありえないのか、ということが議論になったことがあると記憶しています。 まずは、個人的な結論を最…

この理論以外で微量放射性セシウムによる心筋症の説明が可能か?理論の特徴に関するいくつかのポイントのまとめ

11/1/2015 執筆、12/18/2019 Yahoo Blogから移行公開 放射性セシウムによる心筋症、いってみれば、Bandazhevskyの心筋症に関するメカニズムの説明を試みた理論は、もしかしたら、私の他にも、別の説明をされておられる方もおられるかもしれません。 カリウム…

現行の線量計算を内部被爆に用いる際の問題点

2/1/2013執筆、12/17/2019 Yahoo Blogより移行公開 現行の放射線障害理論(ICRPなどが唱える線量計算(xxxミリシーベルトで健康障害がある、ないという議論))が、ある程度、これまでの放射線医学に寄与してきた功の部分は認めるとしても、批判派のわたしな…

Bandazhevskyの病理データにかんして

Bandazhevskyの、Swiss Med Weeklyの主要論文2編にかんする学術的価値は、私は、なるべく中立的に、震災直後から評価する方向で受け止めています。 一方、Bandazhevskyは、論文以外にも、著書や、小論文のようなものを書かれておられ、私も震災後、ネット検…

微量放射性セシウムによる心筋症メカニズムの理論の、その他の症状への拡張

当ブログ記事を執筆するにあたり、最初から理論を拡大しすぎるよりは、まずは「一点突破」を目指して、もっとも定量的議論が明確にできそうな、Bandazhevskyの微量放射性セシウム心筋症の説明に、分野を絞って議論させていただきました。 (ただし、この記事…

血圧データに関する議論

この補足記事では、Bandazhevskyの報告している、微量セシウム内部被曝による「高血圧」と、動物実験データ(「低血圧」)の不整合に関して、解釈を書いてみます。 最近知人から指摘されたのですが、Bandazhevskyのデータを信じられない、という方が意外に多…

心筋再分極の伝搬様式についての補足説明。意外に知られていない最新の知見と動向

このブログの理論をご理解いただくために、多くの方が引っかかるポイントの一つは、心臓が、伝導系を成していて、そのシステムとしての機能は、直列接続である、という点に気がつくことができるか、受け入れることができるかどうかという点かと思います。 最…

非放射性セシウムと、放射性セシウムの、カリウムチャネルに対する影響の出方に関する理論上の違いと誤解

知人から指摘されたのですが、このブログの理論を誤解されておられる方が多いかもしれない、ということを指摘されました。いくつかの理由があるようですが、その一つが、 (誤解に基づいた発言)「非放射性(コールドの)セシウムでQT延長になるのは昔から分…

附記8(カリウムチャネルにセシウムは、詰まるのか、詰まらないのか。 -- 意外に知られていないKirの事実について)

最近、知人から指摘されたのですが、当ブログの理論を誤解されるかたが多いのではないか、ということです。その一つが、 (誤解に基づく発言)「セシウムがカリウムチャネルに詰まるなんて、馬鹿な話をするな。カリウムチャネルはセシウムイオンを通すことは…

附記7(生命体分子の「機能」についての補足説明。特に、2種類の機能異常 -- dominantな異常、recessiveな異常について)

最近知人から指摘されたのですが、当ブログの理論を誤解される方も多いかもしれない、と言われました。その誤解の一つが、 (誤解に基づく発言)「たった1個のカリウムチャネルが壊れたところで、細胞には5万と他のカリウムチャネルがあるので、細胞に異常…

附記5(体内に存在する量の放射性炭素C14による内部被曝がなぜ安全と考えられるのか):C14やトリチウムの危険性再評価

<執筆途中です> <2021年4月19: タイトルが「安全寄り」と誤解されかねない表現だったので、タイトル補足と、追加説明を加えました(途中経過)>ご存知の方も多いと思いますが、体内にもともとある放射線源として、K40の他に、C14 などがあります。 原発事…

附記3:フィードバックの遅れについて

2015年11月改定 (2013年初頭に書きかけて放置していた記事を、大幅に改定しました) このブログの理論を、なかなか理解できない、受け入れられないとする批判に、次のようなものがあるかと思います。 (先入観による批判意見1):「ほんのわずかの内部被…

補足的議論

誤解されやすいポイント ----------------------------------------------------- 外向きK電流が重要となる心筋再分極相(phase 2)では、外向きK電流用のチャネル(KvLQT1)が、微細なタイミング・コントロールを行っている。その他のKチャネル(特に内向き整…

食事中のセシウムの限度にかんする定量的考察

Bandazhevskyの心電図データの異常は、丁寧に考察を重ね、いくつかの仮定をおけば、メカニズムとしては、十分に想定できる、ということを議論しました。 ちょっと書ききれませんでしたし、さらにいくつかの仮定をおくことになるので、ここでは触れませんが、…

再びQT延長症候群について (制御理論的考察)

散々、QT延長症候群、というのを議論してきました。 いったい、QT延長のなにがまずいのでしょうか? そういえば、以前、あるかたが、議論に乗ってきてくださり、次のような大事な意見を言ってくださいました。 「心臓なんて進化の過程で強固にできてるんだか…

メカニズムの説明 (定量的考察2:開確率について)

前頁の話が、随分と長くなってしまいました。 外向きK電流(IKs))に拮抗する、内向きKチャネルKirを、もしも放射性セシウムが、ある一つの細胞で、Kir1個だけ、オープンの状態で壊すことができたら、IKsは相対的に低下するので、QTは延長する、という話をし…

メカニズムの説明 (定量的考察3:心臓の伝道路)

ーーー2/2/2020補足と前置きーーーーーーー 当理論を誤解される方の中には、「心臓には細胞は約1.3x10e10個もあるのだから、その中のほんの僅かが異常を来したからと言って、心臓全体や、ましてや人体の全体に影響が出るわけがない」という誤解をされる方も…

メカニズムの説明 (定量的考察1:単一チャネル考察)

ここで行う議論は、 <<<ごく微量のカリウムチャネルがオープンの形に壊れたときに、影響が出うる可能性を定量的に検討する議論>>> です。QT延長症候群と言うものに関して、議論してみたいと思います。 ーーーーーーーー補足ーーーーーーーーーー (注:1/24/…

Kチャネルに「堅く嵌まり込んだ」状態で、Cs134/137が崩壊を起こしたら、どうなるか

<Kチャネルに「堅く嵌まり込んだ」状態で、Cs134/137が崩壊を起こしたら、どうなるか> Csが、Kチャネル内でβ崩壊を起こしたときのことを議論してみたいと思います。 が、ちょっと疲れてきたので、映画の話でもしましょう。 「アルマゲドン」って映画を、見…